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欲しがりや産

とにかく、熱しやすく冷めやすい


独身貴族・・・?

1年ほど前に聞いた話だけども、ふと思い出したので書いてみる。
きっと、どこにでもある話なのでまったく心構えはいりませんw



よく行く取引先の部長(現在は引退済み)。
結婚もしていない50台半ばの独身貴族だった。

私生活は結構豊かで、運転が面倒だからと移動はすべてタクシー。
料理が面倒だからと一日三食とも外食。
外見はもてない顔ではなく、スレンダーで男から見ても「ダンディ」「男前」というのが自然と出てくる感じの人だった。

もちろん女性に対しても結構軽め。
女性の部下たちからは慕われていて、特別仕事の話などがなくても、よく相談事や雑談などをしているのを目撃していた。(その話のせいで待たされることもあったがw)

そんなこんなで私の部長に対するイメージは、お金持ちで自由気ままな独身貴族、そのものだった。

その部長(引退時は該当部署系列のトップだった)が、昨年定年によりリタイヤ。
私はよく行く取引先とはいえ、肩書きが違いすぎる相手だったため、リタイヤに際し飲み会などにお呼ばれするなどはなかったが、その部長の親しい部下の方と飲みにいく機会があった。

話は当然、引退した元部長のことに。
私は感じていたことをありのまま話しをしたが、その部下の方は「そう見えるよな~」と切り替えしてきた。
疑問に思った私は「どういうことですか?」と聞き返したところ、リタイヤされた身だしと渋々ながら話をしてくれた。


部長はもともと独身貴族などではなく、30台半ばぐらいまでは結婚していたらしい。
今とは違い、昼は弁当だったのを覚えているそうだ。
だが、不幸なことに40歳にさしかかろうとしたぐらいの頃、奥さんが病で他界。
少しの間、かなり落ち込んでいたそうだが、周りに気を使わせるのが嫌だったのだろう、努めて明るく過ごしていたそうだ。
奥さんが亡くなってからいくらかの時が過ぎ、私のよく知る部長の姿になっていったそうなのだが、そのときは部下の方も「奥さんを吹っ切って、独身貴族を謳歌するのか」と思っていたらしい。
しかし、ある出来事でその考えが一変。
話の流れで部長の家に遊びに行くことになったそうなのだが、その家の中は独り身の独身貴族とは思えないほど整頓されていて、まるで誰かがそこにいるように思えたのだとか。
そして、奥の部屋には大きすぎるわけではないが立派な仏壇が一つ。
仏壇の前には、今朝置いたのであろう、茶碗に入った米がお供えされていた。

その視線を察したのか、部長が一言だけ。

「腹が減るだろうと思ってな。 米だけは毎朝供えてる。」

その言葉を聞いて、「独身貴族」などと思っていた自分がどれだけ馬鹿だったのか痛感したそうだ。

部下の方にとって、部長が「独身貴族」と呼ばれることが我慢ならない日々をすごしていたそうだが、「黙っていろ」という部長の一言で、これまで誰にも話はしていないそうです。


奥さんが亡くなってから20年近くの歳月を一人で過ごし、その間料理もまったく出来ない部長が毎朝炊飯器で米だけを炊き、毎日ご飯をお供えしてから仕事に出る。
独身貴族を謳歌していたわけではなく、愛する奥さんがいたから「次の誰か」などまったく考えず、ただ結果として独り身だっただけだったのだ。
きっと、これから自分が亡くなるまでの間、毎朝のお供えは欠かさないのだろう。


という話です。
この話を聞いて、なんとも言えない気持ちになったのを覚えています。
聞き終えても「そうなんですか・・・」としか言えなかった自分。
まだまだ底の浅い人間のようで、恥ずかしい限りです。




そして、ふざけた名前のお土産があったものです。
その名も「独身貴族」。
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